「候補者〇〇さんの出身大学って、どれくらいのレベルなのでしょうか・・・?」
アメリカの大学事情に馴染みのない人事の方から、時折このようなご相談を受けます。
米国内の大学数は、5000校を超えるインドに続き、世界で二番目に多い約4000校。膨大な数がある訳ですから、各校の情報を把握するは至難の技でしょう。
また「偏差値」に基づきレベルが一目瞭然な日本に対し、アメリカにはそれに該当する数値的な物差しが存在しないことも、大学の水準を理解するのが難しい理由の一つかもしれません。
今回はそんな採用担当者様の為に、アメリカの大学事情を解説していきます。
日本の約25倍の国土、約3倍の人口を持つアメリカ合衆国。それに応じ大学数が日本よりも多いのは想像に難くないでしょう。以下は、文部科学省調べの世界各国の大学に関する統計です。
米国教育省によると、2020年の最新集計での大学数は冒頭で述べた通り約4000。日本の約5倍以上の大学が存在するということになります。
また、大学進学率が50%前後である日本に対し、70~80%と世界でも上位に入る大学進学率を持つアメリカ。学生数も多いのが見てとれますね。
数が多いのが分かったところで、クオリティの方はどうなのでしょうか?以下は、教育ランキングの世界的権威であるU.S. News & World Report発表「2023年版 世界のベスト大学ランキング」のまとめです。
104の国・地域、 1799 大学を対象とし、アメリカが総合トップ100の内最多の34校、上位10校のうち7校と、質の面でも世界をリードしていることが見てとれますね。
補足までに、日本からは 東大・京大の2校が100位内にランクイン。その他アジア勢は、近年台頭を見せる中国7校をはじめ、香港が5校、韓国が3校、シンガポールが2校となっています。
「旧帝大」「早慶上智」「MARCH」など、日本では馴染みの深い大学群。アメリカにも類似したものが存在しますので、ご紹介しましょう。
東海岸にある超名門私立大8校。米国の政財界・学界・法曹界をリードする卒業生を数多く輩出しており、アメリカ社会におけるエリートの代名詞です。
合格率は最難関ハーバード大学の3.4%を筆頭に、各校5%前後と非常に狭き門となっています。
豆知識 これらの大学設立の歴史は、なんと1600年代~1700年代まで遡ります。ヨーロッパから米国大陸に上陸した開拓者たちが、まず学校を建てたのがボストンやニューヨークをはじめとした東海岸であったことが地理的な所以です。 名前に関しては諸説あり、校舎を覆う「ツタ(Ivy)」や、かつてのスポーツリーグを構成していた4校から「IV(ローマ数字で4を意味する)」などが由来とされることが多いようです。
上記8校には含まれないものの、それに匹敵するレベルだと言われているのが以下の私立学校です。
圧倒的な定員の少なさから私立大学が優位とされるアメリカですが、州立大学にも名門校は多く存在します。連盟組織であるアイビーリーグに対し、パブリックアイビーは公式な定義がある訳ではないですが、以下15校を指すことが一般的。
合格率は最難関の12.3%を皮切りに、平均で20~30%となります。
上記で説明した大学のほとんどが総合大学というカテゴリの大学になります。これは、日本の「学部」にあたる複数の専門領域を持ち、学生数1万人以上を抱える大規模な学校の総称です。
これに対し、学生数500~2000人程度と小規模で、寮生活を基本としたアメリカ独特のスタイルの学校 リベラル・アーツ・カレッジが存在します。先述の大学たちに比肩する質の高い教育を受けられることで知られる名門校たちがこちら。ハーバード大学を蹴って、これらの大学を選ぶ学生も中にはいるとか。
見落とされがちでありながら、一流の教育機関を持つ隠れ名門として称される大学は以下の通りです。
上記に記載されていないからと言って、優秀な大学ではないということは決してありません。
ここでは広く知れ渡っている大学群の一部を紹介しましたが、この他にも「専門領域(ロースクール・MBAなど)」「スポーツ」「留学生数」などの視点で世界に名だたる名門校がアメリカには多く存在します。
各校の各種情報や難易度が知りたい採用担当者の方は、以下を参考にしてみてはいかがでしょうか。