従業員監視の法律と倫理
安易なトラッキングにはご注意を。


トラッキング監視

在宅勤務やリモートワークを強いられるウィズコロナの今、従業員を管理に頭を悩ますマネジメント部隊の方も多いのではないでしょうか。

「本当に皆働いているのだろうか?」「フルタイムできちんと勤務してもらうためには?」「監視をする必要があると思うがどのようにすべきなのか?」という疑問がたくさん湧いきますよね。

トラッキングシステムを使って従業員のロケーションを知ることは簡単になっている今日ですが、新しいテクノロジーを使用することによるリスクは必ずつきまといます。さらに、ワークプレイスでの訴訟が絶えない上、個人情報の管理に厳しいアメリカでは法律の観点からもより深く考える必要があります。

国と州それぞれの法律に準拠すべき

アメリカでは国連の連邦法と州法が独立した権限を持っていますので、米国全てに関係する連邦法だけでなく、拠点がある場所の州法を確認する必要があります。

国連法

トラッキンングやモニタリングに関する連邦法としてはthe Electronic Communications Privacy Act of 1986 (ECPA)が存在します。

州法

個人情報保護や職場に関する法律は各州ごとに細かく変わってきます。例えば、カリフォルニア州の場合、2020年に施行されたばかりのCCPA(California Consumer Privacy Act)に準拠しなくてはいけません。

デバイストラッキング

各種デバイス

会社が所有しているデバイスは、会社がトラッキングする権利があります。例えば、パソコンや携帯などを従業員に支給している場合、それらのIPアドレスやGPS機能をからデバイスがどこにあるのかを把握することが可能です。

その反面、個人所有のデバイスに関してのトラッキングは簡単ではありません。例え同意書を交わしていたとしても、仕事で使用されていない場合デバイスを追跡することは避けたほうが良いでしょう。

トラッキングデバイスの考察ポイント

  • 仕事に使用されているものか?
  • 勤務時間内に使用されているものか?
  • 職場で使用されているものか?

また、個人所有のデバイスから会社のサーバーやデータベースなどの機密情報にアクセスできるようにする際は、Mobile device management (MDM) などを利用し管理をすることをおすすめします。

会社支給のものがベスト

近年は個人所有物(Bring-Your-Own-Device丨BYOD )を職場でも利用するケースが増えていますが、そこにはメリット・デメリットの双方が存在します。

メリット

  • 従業員の満足度向上
  • 企業のハードウェア費用削減
  • リモートワークでの生産性向上

デメリット

  • 機密データの流出リスク
  • ウイルス感染の可能性
  • 個人情報漏洩のリスク

個人所有のデバイスを仕事に使用する場合は Bring-Your-Own-Device (BYOD) に関するカンパニーポリシーを定めておく必要があります。

会社から支給したのものであれば追跡も気軽にでき、さらにセキュリティリスクも軽減できます。ハードウェアのコストは高くなるかもしれませんが、従業員からのまたはデータ流出等の訴訟リスクを考えると個人所有のものではなく会社が所有するものを提供するのがベストですね。

車のトラッキング

車

社用車のトラッキング

例えば、物流会社が支給している配送トラックがどこを走っているのかトラッキングすることは問題ないですよね。運んでいる品物がどこにあるのかを把握したり、オペレーションの上でもカスタマーサービスを向上させる上でも必要になりますし、従業員のセーフティを考慮する中でも大切なことですよね。

個人所有車のトラッキング

車のオーナーの同意がない上でのGPSでのトラックングは違法となる州が多い上、個人情報保護の観点からも注意する極力避ける方がよいでしょう。

勤務時間外のトラッキング

リモートワーク

個人所有のデバイスの場合、勤務時間外のトラッキングはすべきではありません。Mobile device management(MDM)などを使用している場合、機能としてはいつでもトラッキングが可能ですが、勤務時間外はトラッキング機能をオフにしておく必要があるでしょう。

職場での監視

セキュリティカメラを設置してるオフィスも多いため、自分が監視されているということを従業員も理解しているはずですが、この場合も入社の際の書類で同意書にサインをもらうケースが多いです。

ポリシーの作成

新型コロナ(Covid-19)の影響でかつてないほどリモートワーカーが増加しました。その中で、従業員の勤務を管理することもスーパーバイザーの大きな役目となっています。

アメリカは訴訟が多く、特にカリフォルニアやニューヨークは労働者に優しい州ですので、モニタリング・トラッキングに関する企業のポリシーを定め、企業も従業員も気持ちよく働ける環境を作っていく必要があるでしょう。

ポイント

  • 連邦法、州法、ローカルの法律に準拠しているか?
  • 社員が平等に権利を受けているか?
  • 同意は得ているか?

ポリシーを作成する際は必ず弁護士の指示を仰ぎましょう。

まとめ

チームワーク

法律や会社のポリシーがどうであれ、最も重要なことは従業員とコミュニケーションを深め、お互いの信頼関係を築くこと。

例えば、会社支給の携帯のトラッキングが合法かつ同意書がいらないとしても、事前に知らずにトラッキングされていたら従業員も嫌な気持ちになりますよね。

  • 事前に知らせること
  • 許可を取ること
  • 意見の相違は話し合うこと

日系企業の特徴として、従業員をきっちり監視して仕事をしてもらいたいという考え方があります。また、日本本社からの指示で全てトラッキングをせざるを得ないということも。しかし、常に監視されている状況で従業員の向上心が上がるでしょうか?生産性は向上するでしょうか?日本ほど事細かい報告になれていないアメリカ人は「もう日系企業はめんどくさい」となりかねません。

アメリカの文化や時代の流れに柔軟にマネジメントも変化に適応していくことが成功への道ではないでしょうか。

参考:https://blog.hubstaff.com/employee-tracking-policy/

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