目指せ円満退職!
退職までの流れと意識すべきポイント


” 円 満 退 職 ”


円満とは文字通り、円が丸く満ち、調和が取れていること。 つまり円満退職は、雇用主・非雇用主双方がわだかまりなく雇用契約を解除することを指します。

さてこの日本語、あなただったら何と英訳しますか?

Quit a Job Gracefully(優雅に), Professionally(プロ意識を持って), On Good Terms(良好な関係で)

といった表現が使用されることが多いようです。英語で検索すると、円満退職のコツを紹介した記事がたくさん出てきます。転職が当たり前なこの国アメリカにも、「立つ鳥跡を濁さず」の概念は存在するということですね。

今回は、アメリカでの退職の流れをご紹介していきたいと思います。

1. いつ伝える?

退職の意思が固まったら、まず多くの人が気になるのが「いつ会社に伝えよう?」という点かと思います。

日本では1~3ヶ月、中にはなんと半年前の退職通知を推奨するケースもあると聞きます。アメリカはどうでしょうか?

法的視点で

アメリカでの雇用契約は、以下の通り基本的にat-will 雇用、つまり随意であることは周知の通りかと思います。

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at-will雇用(日本語訳・随意雇用)とは、期間の定めのない雇用契約において雇用者・被雇用者のどちらからでも・いつでも・いかなる理由でも・理由がなくても自由に解約できるという原則

よって、仮に「今日退職届けを出し、明日からもう出社したくない」場合、これは可能か不可能かで言えば、可能であるということです。

倫理的視点で

ただ、「上記の行動が一社会人としてプロフェッショナルか」と問われたら、決してそうではないはず。後任者の選定や引き継ぎなど、あなたが退職することで発生しうる業務をせず去ってしまうのは好ましいとは言えません。

アメリカではTwo Weeks Notice(2週間前通知)が一般的とされています。
これは法的効力のあるものではありませんが、HRの概念形成が盛んであった1940~50年頃に導入され始めて以来、慣習として根付いているものです。

ポジションによっては、雇用期間や退職のタイミングに関し定、別途規定があるケースもあります。お手持ちのオファーレターやEmployee Handbookを確認することをお勧めします。

2. どうやって伝える?

用意するもの

退職することを雇用主へ正式に通知するための、Resignation Letter(別名 Two Weeks Notice Letter)を用意しましょう。

以下のような内容を含むことが一般的です。

  • 退職希望日
  • 退職理由
    ※明記しづらい場合は “due to the personal reasons”などでも可
  • 感謝の想い
  • 引き継ぎについて
  • 退職後の連絡先
    ※諸手続きの為、退職後に連絡が必要な際の為

心得

  • ポイント1. 上司へ第一に報告
    人事ではなく、まじはレポート相手の直属の上司に意思を伝えることが好ましいでしょう。

  • ポイント2. 対面で報告
    リモート環境が当たり前の昨今、対面での報告は難しいかもしれませんが、可能な限り直接伝えることをお勧めします。インパーソンが難しい場合、WEBミーティングを設定して口頭で伝えるのも良い案でしょう。Slackなどのツールで簡易的に伝えるのは極力避けたいですね。

  • ポイント3. 準備は万端に
  • 「なんとなく辞める」という人は少ないと思います。退職という決断に至った経緯をちゃんと答えられるよう挑みましょう。そしてどのような理由にせよ、お世話になった方です。感謝の気持ちを忘れずに。

3. その後、何が起こる?

引き止め

退職の申し出をした場合に、雇用主側から昇給や昇格、あるいは希望する部署への異動などといった条件とともに引き止めらることをCounter Offer(カウンターオファー)を提示すると言います。

必ずしもこれが提示されるとは限られませんが、昨今の大辞職時代による採用難を考慮すると、企業は貴重な人材を失いたくないはず。引き止めにあう方も多いのではないかと察します。

退職者面談

意思が最終決定したら、人事部とExit Interview(エグジットインタビュー)が実施されることも、アメリカでは一般的です。
退職を決めるに至った原因や職場環境・働き方へのフィードバックなど、従業員の本音を聞き出すことで、雇用主側がよりよい組織づくりに繋げることを目的としています。

indeed社によると、以下のような質問をされることが多いようです。

  • 退職の理由や退職を決意したきっかけは何ですか??
  • 上司や経営陣についてはどう思いますか、また今後の改善につながる意見や提案などはありますか?
  • 仕事にやりがいを感じたことはありましたか?
  • トレーニングは十分かつ適切だったと思いますか?
  • この会社はあなたのキャリア目標の達成を支援していると思いますか、またはそう感じたことはありますか?
  • この会社で働くことを転職活動中の人にすすめたいと思いますか?
  • 転職先を決めたときの決め手は何でしたか?

4. 最後に

引き継ぎ

後任者選定や採用サポート、引き継ぎやレーニングを実施した上で、最終日を迎えるのが一般的かと思います。時間が限られているケースが多いでしょうが、引き継ぎは丁寧に行えたらベストですね。

最後の挨拶

最終日には御礼の挨拶メールを送ることをお勧めします。
簡潔で問題ないので、感謝の気持ちと共に、退職後の連絡先などを添え一報してみてはいかがでしょうか。

もちろん、世の中の転職全てがポジティブな理由によるものではないかとは思います。しかしどのような理由にせよ、お世話になった会社・一緒に切磋琢磨した仲間です。「ありがとう」の気持ちは伝え、気持ちよく退職したいものです。

特に転職社会のアメリカでは、現職の上司や同僚と将来的に違う職場で一緒に働くということも稀ではありません。また、リファレンスをお願いしたい、ということもありえるかもしれませんよね。更には、業界やコミュニティー内の繋がりも密なのでレピュテーションリスクも考えられます。

ヒトとヒトとの繋がりは財産です。退職後も良好な関係を築けるよう意識してみてはいかがでしょうか。

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晴れ晴れとした気持ちで次のステップへ進むためにも、円満退職を目指したいですね。ご転職を予定されている皆様、円滑なご退職と新天地でのご成功をSTS Careerスタッフ一同応援しております!

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